お金の話をするうえで、避けては通れない「仕事」の話です。
私は40代の主婦ですが、パート、アルバイト、正社員いろいろな形で働いてきました。今も働いています。
業種もバラバラで、転職も何回かしました。仕事の話を人にすると、結構ウケます。もちろん面白おかしく働いているのではなく、いたって真剣です、昔も今も。
でも、ウケるのです。ここで過去の仕事についてお話して、へぇ~そんな仕事もあるんだ、なんか働くって面白そう、と少しでも思ってもらえたらいいなと思います。
以前、私は外国人技能実習生(以下、「実習生」)の監理団体で働いていました。ハローワークの募集を見て、何か面白そう、と思い「事務」として入社しました。最近ではニュースなどで実習生という言葉を耳にすることがありますが、その殆どが良くないニュースですね。そうなんです、当時も嫌というほどその実態を目にしました。でも、今回は社会的側面はちょっとおいといて…仕事内容についてお話しますね。
まず、実習生はいろんな国からやってきます。中国、ベトナム、タイ、モンゴル、フィリピン、ミャンマー、インドネシア、ネパール…など。私が在籍していた団体は主にベトナムとフィリピンの実習生を受け入れていました。彼らは入国後、1ヶ月間の研修を経て、それぞれの会社へ実習の名のもとに就職します。監理団体ではその1ヶ月間の研修として、日本語を教えたり、健康診断を受けさせたり、消防・警察の講習を受けさせたり、買い物など日本の生活・習慣について教えたり…とにかく盛沢山で、何回やっても、毎回笑えるぐらいスムーズにいかずバッタバタでした。その後は、就職先に定期的に顔を出して、給与明細や給与台帳のコピーをもらったり、実習生の状況を聞いて問題があれば対処する、というのがメインの仕事でした。実習生は20歳前後の若者が多くてとにかく可愛く、彼らが日本でうまくやっていくためのノウハウを教えるのは、やりがいがありました。もちろん楽しいだけではなくハプニングも満載で公の場では言えないようなことから、平気で遅刻してきては満面の笑みで「先生おはようございます、朝ご飯は食べましたか?」とニコニコと屈託もなく言うのを注意するという、可愛らしいレベルのものまで、語りつくせないほど色々、本当に色々ありました。
あれ?事務じゃなかったっけ?私も入社後、そう感じましたが、少人数で運営していたので、すみ分けが難しく、最終的には事務だけど海外出張にも行く羽目になりました。なので私はこの事務を「アクティブ事務」とカテゴライズして、強引に納得していました。
ここに書くことができる、且つ大変だったけど、今思うと何かおもしろかったな、という経験をいくつか紹介します。
・実習生が失踪(日常茶飯事)し、他県で発見され、その連絡を受け迎えに行き、帰国させるべく空港まで連れていき、見送るが、空港で逃げられ、通訳とともに過去最速の早歩きで追いかけ確保する。
・実習生は会社にお弁当を持参していたが、ある日、自転車のかごに炊き上がったお米が入ったジャーごと持ってきた。就職先の社員が注意したが(家電は会社側が用意していた)理解してもらえず、通訳を連れて説明をしに行く。
・実習生が立派なパチンコ(石などをゴムで飛ばすY字型のもの)を持っていたので、使い道を尋ねると、野鳥を仕留めるとキラキラした目で説明され、帰国まで預からせてもらう。
・更衣室で実習生が着替えていると背中に無数のアザがあり、不審に思った社員から相談を受け、話を聞くと「スプーンで背中をこすって疲れを取った」と説明される。他にも聞いたことのない民間療法の数々に驚かされる。
・研修期間に、お昼を一緒にと誘われ、見たことのない食べ物を有無を言わさずおすそ分けされる。髪の毛ぐらい細く裂かれた豚肉、どろどろの豆ドリンク、豆の粉末をギュッと圧縮してキューブ状になった摩訶不思議なおかし。どれも食べられなくはないけど、売っていても買わないような味でした。
もっとありますが、長くなってしまうので、このへんで。
事務として入社した時は、まさかこんな体験をするなんて思ってもみなかったことが嵐のような勢いでやってきて退屈知らずの毎日でした。ただ、相手は人なので待ったなしのトラブルも多く、体も頭も毎日へとへとでした。おかげで、少々のことでは動じくなりました。当時は、なんでこんな事まで私がしないといけないの?と不満に思ったこともありましたが、ありきたりですが、無駄なことは1つもなく私はパワーアップしました。働いていると、不満や疑問も湧いてきますが、結果的には自分の糧になることが今はわかるので、どんな仕事でも、とまではいきませんが、それなりに消化できるようになりました。私の仕事の話で、誰かが笑ってくれて、働くことに対して少しでも前向きになってくれたらうれしいです。
これからもいろんな仕事の話をUPしていく予定ですので、お付き合いよろしくお願いします。