某・大手家電量販店のレジ(パート)をしていた時の話です。
家電量販店といえば、携帯電話コーナー、おもちゃコーナー、パソコン周辺機器、テレビや冷蔵庫などのおなじみの家電まで、気が遠くなるような品揃えです、電化製品に疎い私にとっては。思い返すと、ポケベル全盛期にポケベルを持たず、携帯電話を周りよりも2テンポぐらい遅れて購入し、テレビもギリギリまでブラウン管を使っていた私がなぜ家電量販店で働こうと思ったかというと…

①近い
もうこれが全てです、当時の私の職場選びの基準は。子供を保育園と幼稚園に預け(私が下の子を妊娠し退職したので、保育園から幼稚園に移り、このパートを始める時に、あと半年で卒園だったので、そのまま幼稚園にいました)、送迎を考えると最優先順位でした。
②残業が少ない
面接の際に確認し、実際もそうでした。ただでさえ夕方は忙しいので残業は無理だと思いました。大手は人件費を計算して作っているので、シフト作りがしっかりしているように思います。
③当時にしては時給が悪くはなかった(と記憶してます)
大手ゆえでしょうか、理由はわかりませんが製造業のパートより高いと感じました。
どんな仕事だったかというと、先ずはレジ業務、修理の受付(これは大変でした)、工事・配達の受付、品出し(レジ内の)、電話対応です。
・レジはそんなに難しくないのですが、電子マネーなど支払方法が何パターンもあり、自分が普段使わない方法に関しては慣れるまでドキドキしました。
・問題の修理の受付ですが、自分が使ったこともなければ、用途もイマイチわからない製品を持ち込まれることも多く、でも「これなんですか?」みたいな顔をすると、こんな人に預けて大丈夫?と、お客さんを不安にさせてしまいますよね。初めて見る製品でも「あ~はいはい、これですね」みたいな態度で受け付けて、どうしても手に負えないときは詳しい人に代わってもらうという、名付けて「知っているけど詳しくないんだよね私」作戦で乗り切り!?ました。
・工事と配達の受付も修理の受付の次に苦戦しました。エアコンの工事はよくありましたが、取り付ける場所や、アパートか戸建てによって必要なものも違い、よくわかっていない私にとっては、エアコンの受付シート(売り場でだいたい完結してましたが)を持っているお客さんがレジに来るたびにドキドキしたのを思い出します。
・品出しは比較的、易しい業務でした。USBメモリ、プリンタのインクなど、商品を店頭に並べず、見本カードをレジまで持ってきてもらい、レジ内の商品をお渡しするお店が多いと思います。その在庫の数が見本カードと合っているか確認して、品出しします。
ザックリとこんな仕事内容でした。私は扶養内で働いていたので、そんなに長い時間ではなかったですが、ずーっと立っていたこともあり、とても疲れました。でも、いいこともありました。家電に詳しくなり、更に詳しいスタッフもいるので、新しい情報に詳しくなりました。多少は割引価格で購入もできるので、気になる商品をネットと比べて(そこは抜かりなく)、安ければ購入し、お客さんに聞かれれば説明して購入につながると楽しいです。
ここでもやはり、珍接客はあったのです。最後に少し紹介しますね。
・おじいさんがメモを片手にレジにきて「USAください」といいました。2秒ぐらい見つめ合ったのち、私はUSBメモリのことを言ってるのかなと思い、レジ内のUSBメモリをいくつか見せて「ユーエス『ビー』でしたらこちらです」と案内するも、見せられたメモには迷いなく「USA」と書かれていて、自治会のおつかいだというおじいさんも困惑ぎみで「自信ないから確認してまた来るわ」とのことでした。数時間後に現れて8GBのUSBメモリを無事購入されました。
・おじいさんが(平日の昼間は高齢者が多かった気がします)、少しイライラした様子で「昨日アンタとこでラジオ買ったんやけど、壊れとるで交換して!!」とのこと。いったんお座りいただいて、詳しく見ました。先ず、電池の入っているところを開けると、それを見たおじいさんは「電池も新しいの入れたけど、うんともすんとも言わん」とのこと。電池を取り出すと、あらやだ、フィルムに包まれていました。イライラおじいさんに「よ~く見ると電池がフィルムに入ったままなので、外しますね」と外して動作確認すると、正常に動きました。拍子抜けしたおじいさんは、ちょっとバツが悪かったのか「あ、ごめんごめん、もう1つ電池もらってくわ」と電池を買って帰られました。
こんな、ほのぼのエピソードが多かったように思います。少しはコミュニケーション力がアップしたんじゃないかしら。